朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第409回2018/2/25

 京都の夜、焚火を囲んでいた市駒、俊介、喜久雄がそれぞれ老いた。
 どんなに平均寿命が延びようが、老いは確実がやってくる。喜久雄は、老境に入ることを、今後どのように受け止めるのだろうか?

「(略)不思議なもんで、病気じゃないって分かりゃ、けろっと元気になるんだよな」

 言葉は元気な市駒と喜久雄だが、やっていることは孫の写真に相好を崩しているおじいさんとおばあさんだ。