新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第6~7回2018/6/6~6/7 朝日新聞

 姉の記憶の方が客観的なのであろう。
 これだけ姉に「嫌な思い出」をもたせた父はいったいどんな父だったのか?家族を養う稼ぎがないや暴力を振るうだけではないような気さえする。
 また、姉がこれほど言うのに、洋ちゃんには父への嫌な思い出が、そのかけらもないのは、姉が言う理由だけなのか?
 還暦間近になった洋一郎とその姉が、頻繁に亡き父の思い出について話しているらしいところも不思議だ。