新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第14回2018/6/15 朝日新聞

 幼い洋一郎が、両親の離婚があっても日常が坦々と続いたと思っていたのは、わかる気がする。そして、それは幼い頃の思い出だけでなく、五十代のいまもあまり変わっていないようだ。父の側に離婚の責任の大半があると理解している現在も、出て行った父に対する非難の気持ちはまだ表現されていない。
 また、母への同情も表現されていない。姉の感覚とこんなにずれているのは、何か、理由があったのだろうか?
 
 母が生まれ故郷へ戻っても、この三人家族の境遇が好転するとは思えない。