新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第35回2018/7/6 朝日新聞

 佐山は『ハーヴェスト多摩』に強い興味があるようだ。佐山夫妻だけでなく、六十歳以上の幅広い年代の人々にとって、新しいタイプの老人ホームは興味深いことだと感じる。
 介護付き有料老人ホームなどというものは、日本になかった。例え、あったとしてもごく少数だったし、その料金は一般の人々には縁のない額だった。それが、そのような施設がたちまち増えだし、料金も様々なものが提供されるようになった。「特養」、「サ高住」などという略語まで広がってしまった。
 だが、主人公の年代よりは、高齢な私だが、「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」と「養護老人ホーム」などの違いを、理解できていない。理解を進めるためには、資料を読む、説明を受けるだけでなく、実際に見学に行くのが近道だ。
 私も、親のために、そして、自身のためにいくつかを見学に行った。