新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第39回2018/7/11 朝日新聞 

 七十歳を過ぎた夫婦が、有料老人ホームに入ることを考えるのは、不自然ではない。それにしても、夫婦が二人とも健康であれば、いずれはという段階だろう。
 佐山のように五十五の夫婦が、有料老人ホームを探し、すぐにでも入りたいというのは、何か訳がありそうだ。また、佐山のこの話を洋一郎は、はじめて聞いたようなので、「よしお基金」の集まりの場での佐山の相談は、この件とは別のものだったようだ。