新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第68回2018/8/9 朝日新聞

 この小説の中心には関係の薄いことに感想を持った。
 洋一郎と航太は、夏子がいないとたちまち食事に困る。私もカミさんがいないと同様だ。これは困ったものだ。
 私なら洋一郎と同じように、コンビニなりスーパーなりの物で済まそうとする。もし、息子がいれば、航太と同じようにするはずだ。でも、それでは長続きはしない。
 いや、私は最近は、米を炊く、味噌汁を作る、カレーライスを作る、うどんやそばを茹でる、はできるようになったので、洋一郎よりはもう少し、自炊できるかもしれない。でも、それもせいぜい一週間ももてば、上出来だ。
 むしろ、割り切って航太のようにスパウトやタブレットの方が長続きするかもしれない。大人用粉ミルクも需要が増えているというし、健全な食事のモデルを考え直す必要がある。
 昭和生まれには、昭和の頃にあった町の定食屋が理想だ。毎日、同じ店で同じ品を食べ続けられるような定食屋、これが今の時代にふさわしく形を変えて出てきてもいいのではないか。