新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第124回2018/10/6 朝日新聞

 父の遺品を整理しているうちに、父がどんな人であったかを知りたくなり、さらに、父子関係を意識するようになった点は理解できる。
 だが、亡き実の父の遺骨へ、ひ孫の誕生を報告に行くのには驚かされたし、どうしてこうなるのかがまだわからない。ひ孫の誕生を知らせ、ともに喜ぶとしたなら、洋一郎の母へ報告するのではないのか。生きている実の母でもなく、長年暮らした亡き義理の父でもなくて、生きているうちは意識すらしていなかった実の父のところへ、しかも寺に預けたままの遺骨に真っ先に知らせたいとは、どういう心境なのか?