新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第130回2018/10/14 朝日新聞

 川端さんについては、二つの面を感じる。自分のアパートの部屋を、高齢な人を差別しないで貸していることや身寄りのない店子が死ぬと葬儀や遺骨のことまで面倒を見ることは、他人のことでも優しく丁寧に接する面を感じる。一方で、洋一郎に遺骨をそばに置くように勧める所や父が借りていた本を返しに行く洋一郎と一緒に行く所は、他人のことに干渉し過ぎる面を感じる。
 他人の面倒をよく見ることと、他人に干渉してしまうことは、紙一重なのだろう。