新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第142回2018/10/25 朝日新聞

 姉(宏子)は、次のような割り切った考え方が感じられる。
①父親であっても、だめな生き方をする人なら冷たく批判したし、父の死へなんの感傷もない。
②自分の子には、結婚という形式にとらわれなくてもいいと言う。
③自分の孫に対しては、『見守る』距離感をキープしなければならないと言う。
 一方では、次のような感情的な面も感じられる。
④母親に、自分を犠牲にしてでも寄り添い、協力した。
⑤母親を、義理の父の家の墓には入れたくないと言う。
⑥弟に、夫・父・祖父の立場があると言う。
 旧来の親子関係や家族観にとらわれない考え方と、自分を中心とした家族を大切にするという考え方が混在している。そして、こういう考え方をする人は、今の時代の多数派とも言える。