新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第143回2018/10/26 朝日新聞

 田辺麻美さんと姉の宏子は、似通った年代だと思う。それなのに、洋一郎の父についての印象がまるで違う。この二人は、洋一郎の父との関係が違うし、接していた間の父の年齢も違う。だが、その違いを考えてもこんなにも印象が異なるには何か訳があると思える。
 
 父が、自分の家族との別れに強い思いをもっていたことが予測できる。父は、少なくと年を取ってからは、別れた家族に無関心ではなかった。
 洋一郎と姉の宏子の方が、無関心であったと思う。