新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第181回2018/12/4 朝日新聞

 ますます奇妙な展開になってきた。
 大家さんとはいえ、息子がいるのに、「石井さんの部屋に行って、軽ーく、お酒やお菓子でもどうですか?」と言い出すのは、あまりに配慮も遠慮もないのではないか?それに、自分史依頼を洋一郎に断られた真知子さんが賛成するなんて、奇妙過ぎる。
 
 だが、‥‥。
 子でありながら、実の父の遺骨に線香を上げにも来ない姉や、夫の父の遺骨を引き取るのをこばむ洋一郎の妻の方が奇妙なのか?
 姉や妻の言動は現実に近いと感じるのだが。