新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第192回2018/12/16 朝日新聞

 だが、私の父親──イシイ・シンヤは、断じて、ノブさんと同じではない。

 この二面性が対立と混乱の元になっている。イシイ・シンヤは、どこかの時点でノブさんへと変化したのか?それとも、父は、元々、他人から好かれる面と嫌われる面の両面を持っていたのか?
 今までの展開では、このことを(作者は)すぐには明らかにしないように思う。
 神田さんと真知子さんが、洋一郎にほとんど同情を示さないのもなんとなく(作者の)作為を感じてしまう。