新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第193回2018/12/17 朝日新聞

 神田さんのこういう行動は、予想できた。むしろ、俺がノブさんの遺骨を引き取る、と言いそうだと思っていた。
 私が奇妙で、現実離れしていると感じていた父の遺骨の前の集まりは終わった。遺骨のこともガラケーのことも何も解決していない。さらには、すぐには何かが起きるとも思えない。