新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第208回2019/1/1 朝日新聞

 洋一郎は、真知子さんのように、他人を気にしないある意味の行動力をもった人を、苦手としていると思う。それよりも、自分の考えと感性を他人に押し付けてきて、それに気づいていない神田さんのような人を、もっと苦手としていると思う。
 洋一郎は、そういう人を目の前にしていても、その人を嫌いとは感じていない。しかし、居酒屋での神田さんの行動から、この登場人物の趣味の悪さのようなものを、洋一郎は感じている。
 つまり、作者が、この二人の登場人物の本質を、居酒屋の描写を通して表現していると感じる。

 私も、この二人は、洋一郎の父の一面しか知らない人のように思えるし、こういう人とは付き合いたくないと感じる。