新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第回2019/1/4 朝日新聞

 今のところ、神田さん以外は、電話のやりとりをした人が父のことを忌み嫌っている、ということだろう。
 付き合わなくなったのではなく、二度と会いたくないし電話もくれるな、というのは、父が相手に具体的に迷惑をかけることをしたということなのだ。
 父に対してのこのような対応は、姉の感覚とも父の親類の人たちの態度とも一致する。