新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第218回2019/1/12 朝日新聞

「(略)友だちってお互いのことを知りたいと思うし、相手の人生がダメになりそうだったら、止めるでしょ、叱るでしょ、このままじゃいけないぞって言うんじゃないんですか。ふつーは‥‥」

 真知子さんではない人が、居酒屋ではない所で言ったのなら、立派な意見だと感じる。でも、こういう設定で出て来ると、誰でも言いそうで、しかも浅い考えだと感じる。
 本当は、こういう考えは妥当なのか、そうではないのか。
 改めて思った。こんな風な付き合い方を前提とするなら、友だちなんてできない。