新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第295回2019/4/1 朝日新聞

 後藤さんは、息子に自己のすべてを注ぎ込んだ挙句、それが裏切られてどうしようもなくなっていた。 
 息子をまるで、父の所有物のように考えることの間違い、さらに、いつかは息子が父から離れていくことを思わない間違い、これに気づかなかったのが不思議なほどだ。