新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第320回2019/4/27 朝日新聞

「ミッションをクリアした感じだったな。よしこれで親父(おやじ)のことは完了、意外とあっさりすんで、めでたしめでたし、って」

 あはは、と笑う。今度もまた、ブラックジョークの類(たぐい)ではない素直な笑顔だった。

 
こういう感覚がすべてではないが、すごくよく分かる。父の最後の最後についての紺野の「ちょうどいい長さだよ」についても、違和感や反感を感じない。
 こういう紺野の感覚に違和感を感じない私の感覚は、親にたいして冷たいのか?或いは、息子としての都合だけを優先しているのか?