新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第321回2019/4/28 朝日新聞

 老人ホームについてのとらえ方の変化は急激だったと感じる。

息子がいるのになんで姥捨(うばす)て山みたいなことをするんだ、子どもが親の面倒を見るのは当然だろう、」

 
こういう紺野の父の考え方が一般的だった。それが、急激に変化したのは、子ども世代の変化だけでなく、母親世代の考え方の変化が大きかったのか、と改めて気づく。高齢者と言っても、男性と女性との差は大きい。女性の高齢者の方が、少子高齢化により早く適応している例を現実にも多く見る。