新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第322~327回2019/4/29~5/4 朝日新聞

ああ、これも、ひこばえなんだな――。(327回)

 親から子へ、そして孫へという従来までの命の連鎖は、佐山夫妻の場合は絶たれていた。だが、命を繋げていきたい、他の人の命のために役に立ちたい、この思いが消えることはなかったのが分かる。
 佐山夫妻の「よしお基金」の活動が一人の少年の命を救ったということ以上に、その出来事に励まされて、生き生きした表情を見せるようになった佐山夫妻に心打たれる。