新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第387回2019/7/5 朝日新聞

 後藤さん本人のハーヴェスト多摩でのトラブルに、通常の処理をしなかったのは、洋一郎自身だったはずだ。しかも、たびたび拒否されたのに、将也さん本人からの電話を待ち続けていた。
 こんなことなら、施設長として、将也さんに秘書室長を通して、これ以上トラブルが重なるようなら、退去してもらう旨の警告、つまりはそれが、こういう場合の通常の処置だと思うが、それをしておいた方がよっぽど理屈が通る。
 どっちにしても、後藤さん本人が、洋一郎や施設のスタッフが予想するような反応をしないと思う。