新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第413回2019/8/1朝日新聞

 412回から章が新しくなった。と言うことは、後藤さんの息子のスキャンダルの件は、これ以上には発展しないということかもしれない。
 西条真知子さんという人物は、好感の持てる人と描かれていないと思う。でも、けっこう重要な役回りを演じている。洋一郎にとって、自分の職業の内容が知れてしまうような依頼を真知子さんにするということは、真知子さんのどこかに信頼に足るものを感じているからだろう。読者としては、この身勝手そうな若い女性のどこが信頼できるのか、よく分からない。