新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第417~431回2019/8/5~8/20 朝日新聞

 この小説を読み始めて以来、初めて主人公の考えに共感できた。

 きれいに老いていくことは楽なことではない。
 悠々自適の老後を送れても、生きがいを失っては幸せではない。

 なるほど、その通りなのだ。言われてみると当然のことだが、このことを見失っていると思う。だから、高齢者対策の制度設計や豊かな老後のための資産の額ばかりが注目されるのだ。

 
 ハーヴェスト多摩にいた後藤さんよりも、和泉台ハイツのノブさんの方が幸せだったと感じていた。その理由が理解できた。

 
 とらえどころのない登場人物と感じていた真知子さん、現代離れした神田さん、それに川端さんが、ピッタと役柄にはまり出した。