本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

カテゴリ: 新聞連載小説・夏目漱石・『吾輩は猫である』の感想

朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第34回2016/5/25 苦紗弥の話は、迷亭と寒月のものとは違っていた。話の落ちがない。 それだけに、二人の嘘の話ではなく、人間の本質を描いている逸話と受け取れる。  妻が楽しみにしていることを実現させるのは、全く妥当なこ…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第33回2016/5/24 前回と今回は、連載としてのこの小説の特徴が出ていると思う。以前に読んでいるのだが、この辺りのことは忘れていて、次回を待ち遠しく感じる。 短編小説とするなら苦紗弥の話は、私小説の雰囲気だ。…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第32回2016/5/23 寒月の話は、なんともたわいのない結末だった。 迷亭の場合は、話のはじめから嘘が見えていたが、寒月の場合は話の前半は真実味があった。 苦沙弥の話は後半に入っても真実味がある。 この三人の話をそれぞれ…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第31回2016/5/20 寒月の話は、ずいぶんと真に迫って聞こえる。だが、怪談じみていてとても経験談とは思われない。 迷亭の話との違いはなんだろうか。自分の経験として語っている所は同じだし、知人が登場する所も、場所がらも、…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第30回2016/5/19 迷亭の話は、なんともあきれた作り話だ。しかし、全ての物語の根本は作り話だということもできよう。 迷亭のうそを承知していながら、寒月も話を作るようだ。 猫はうそをつかない。 なぜか。 猫は言葉を使わ…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第29回2016/5/18 「主人」である苦紗弥と美学者の迷亭は、いい加減なことばかりして、なんの役にも立たないことをしていると描かれる。その描かれ方は徹底している。 これが、作中の登場人物がそう感じているのであれば、この二…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第28回2016/5/17 教師とその門下生、教師とその友人の学者、三人が三人とも、嘘とその嘘を見破っているようないないような会話が続く。そして、当人たちはどうも自分が一等賢いと思っているようだ。 「吾輩」は、そんな教養人た…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第27回2016/5/13 人間同士は、互いを見るときは、表向きを見る。人には、裏側があると知っていても、やはり表向きで判断してしまう。対話をするときは、相手に自分の話がどう受け取られかを考えてから話す。 人間は、猫に対して…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第26回2016/5/12 明治時代には、「三毛子」のように大切にされる飼い猫は特別だったことが分かる。明治どころか、昭和時代も現代のペット事情とは大いに違う。 漱石は、現代のペット事情まで見抜いていたのかと思わせられる。猫…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第25回2016/5/11 「トチメンボー」のことが「迷亭」の人をだますカラクリだと分かると、手紙全体が信用のならないものと、「主人」は気づいている。ところが、大半はふざけた嘘ばかりだと思っているのに、自分の胃病に効果がある…
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朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第24回2016/5/10 「迷亭」からの手紙は、ことごとくふざけた内容として、「主人」に読まれている。しかし、それは、「東風」の話を聞いた後なので、そう分かるだけだろう。 この手紙の「トチメンボー」が虚言であることを知らさ…
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夏目漱石『吾輩は猫である』第23回朝日新聞連載小説2016/5/10 「吾輩」という存在がなければ、相当に攻撃的な意見の文章になりそうだ。しかも、ここで取り上げられている「朗読の会」に類似の文学的な集まりは、当時実際にあったのではないかと思う。責任さえないという事が…
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夏目漱石『吾輩は猫である』第22回朝日新聞連載小説2016/5/5 この回も、知ったかぶり、博学ぶり、中途半端な知識や教養が、批判されている。 漱石は、よほど中途半端な知識や教養が嫌いだったと感じる。嫌いどころか、それが、人間社会の弊害の元凶と見定めているかのよう…
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夏目漱石『吾輩は猫である』第21回朝日新聞連載小説2016/5/4 「客」が、「先生」とのエピソードを語る。それを、「主人」が聞いている。その「客」「先生」「主人」の言動を、「吾輩」が聞き、その全てを批判的に観察している。 他人をだましておもしろがる「先生」のやり…
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夏目漱石『吾輩は猫である』第20回朝日新聞連載小説2016/5/3 テレビのグルメ番組は好きだ。ドラマやニュースよりは真剣に見る。 だが、食べ物についての話は、この回で取り上げられているようなことになってしまう例が多い。 採れたての食材を産地で、生のまま食べて「う…
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