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朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

カテゴリ: 新聞連載小説 吉田修一作 国宝 の感想

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第323回2017/11/28  綾乃にしてみれば、外へも出してもらえず、何もすることがない状態が最も苦痛だったろう。どんなに喜久雄と徳次と市駒に心配され、大切に守られても、綾乃は自分の居場所を見つけられなかっただろう。 …
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第322回2017/11/27 長崎で、喜久雄と春江がどうやって出会い、どうして離れられなくなったのか、ずうっと謎だった。以前に、次のような予想をしたことさえあった。76回感想 喜久雄は、組の年上の者から童貞であることをから…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第321回2017/11/25 物語の全体構造が覆っていく。 喜久雄の生活は、昭和のことでありながら、まるで、時代が違うような印象があった。 中学校で人を襲ったのに、何事もなかったように扱われた。背中の彫り物が問題となった…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第320回2017/11/25その一(予想)①この騒ぎで、喜久雄は新派を去ることになる。新派を去り、歌舞伎界に戻ることもできず、喜久雄は役者として再び窮地に陥る。 ②この騒ぎは、俊介と春江に及ぶ。特に春江の刺青が、春江を恨…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第319回2017/11/24その一 辻村の恩を感じていたから、喜久雄は二十周年パーティーでの舞台を引き受けた。しかし、喜久雄が、辻村に対して親近感を持っていたとは思えない。それなのに、警察に踏み込まれた場で、辻村を慕って…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第317回2017/11/22 不思議と辻村へは、嫌悪感が湧かない。辻村は、裏切り者で、喜久雄を騙し続けている。また、二代目半二郎にも、苦しみを与えていた。 その反面では、興行で二代目半二郎と喜久雄を助けていた。喜久雄へは…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第316回2017/11/21  辻村は、企みを抱き、権五郎の新年会に向かった。さらしの下には、ドスではなく入念に包んだワルサーを隠し持っていただろう。そして、連れて行くのは、二代目半二郎だ。 辻村は、首尾よく企みを遂げた…
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①親分権五郎が死に、喜久雄は坊ちゃんでもなんでもなくなった。おまけに立花組は、すっかり落ち目になった。②喜久雄は、歌舞伎の稽古に熱中していたが、役者として舞台に立てるかどうかもまったくわからなかった。③二人道成寺で人気を得た喜久雄だが、すぐにその人気にも…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第315回2017/11/20 私は、現代の小説をこのブログを書くようになってから読み始めた。吉田修一という作家については、名前も聞いたことがなかった。今回を読んで、俄然、吉田修一に興味が湧いてきた。 徳次、喜久雄、春江、…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第314回2017/11/19 そこに徳次は、極道育ちという自分の血に持つ、逆の意味でのプライドを喜久雄に見たのでございます。 極道の血を持つからには、力のある親分の威光を借りて、物事のかたを付けることはしない、というプラ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第313回2017/11/18その一 徳次がやろうとしている解決の手段として思いつくことは、次の三つ。①金銭②裏の人脈③徳次の命 私に思いつくのは、これだけだが、さて‥‥その二 312回で徳次が言っていた「鷺娘(さぎむすめ)…
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①辻村のパーティーへの出演を、喜久雄が受けたこと。②喜久雄のパリ公演の成功が、俊介に与える影響。併せて、松野という男のこと。 舞台は、すっかり綾乃のことになっているが、①と②が同時進行しているはずだ。 それに、加えて、③のことも疑問だ。③徳次が言った「鷺…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第312回2017/11/17 徳次の動きが小気味いい。こういう動きをして、読者に無理を感じさせない作者の人物づくりが見事だ。 綾乃を救い出し、病院へ行き、家へ連れ戻ったとしても、綾乃の問題は解決しないだろう。徳次が説得す…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第311回2017/11/16 徳次と喜久雄には、実の親も兄弟もいない。だが、喜久雄にはマツがいるし、今は、市駒と、彰子、それに、娘の綾乃がいる。 育ての親さえいなかった徳次には女房もいない。その徳次にとって、喜久雄は坊ち…
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