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朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

カテゴリ: 夏目漱石 『それから』の感想

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石 当時の資産家の子弟で、高等遊民と呼んでよい生活をしている人は現実の世間にいたであろう。しかし、「代助」のような精神をもつ人がいたであろうか。 時代を問わず、支配階層や富裕層の人々が、より高い地位と権力、そして、より多…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第110回最終回2015/9/7 連載を読み終えた。 毎回の感想を続けることができた。 働くことの意義を考えさせられた。 結婚という社会的な夫婦関係と、自然な男女の関係との違いについて考えさせられた。 世間の良識と道徳が、時代によ…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第109回2015/9/4  「代助」が価値を認めない物事に、価値をおくと「平岡」がとった行動になるのではないか。 世間で幅を利かせる富と地位を得ることを目的にして、世間体を気にしながら生きるのが、「平岡」であろう。そういう考え方…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第108回2015/9/3代助は拳を固めて、割れるほど平岡の門を敲かずにはいられなくなった。忽ち自分は平岡のものに指さえ触れる権利のない人間だという事に気が付いた。 「代助」は、周囲の目をはばからないような行動をとらなかった。しか…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第107回2015/9/2 恵まれた境遇と、才能。ないものと言えば世俗的な地位と自由になる金銭だけだ。愛する女性は、すべてを投げうって、その愛にこたえてくれている。それが、「代助」だ。 以前の仕事に失敗し、その際の借金がある。今の…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第106回2015/9/1三千代さんは公然君の所有だ。けれども物件じゃない人間だから、心まで所有する事は誰にも出来ない。本人以外にどんなものが出て来たって、愛情の増減や方向を命令する訳には行かない。 この回の注釈が大変に役に立つ。…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第105回2015/8/31 今はどうであれ、「平岡」は「大助」にとって同世代であり、かつては親友であった。「大助」が接する人物の中で、最も近い位置にいるということもできる。 だからこそ、結果を斟酌せずに話をしたのかもしれない。 …
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第104回2015/8/28  「不倫」という言葉は、道徳にそむくというのが元々の意味のようだ。それが、道徳にそむいた男女の愛情という意味で使われるようになった。さらに、現代では、例えば、既婚の男女がそれぞれの結婚相手以外の異性と…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第103回2015/8/27 相反することのどちらを選択するか、迷った場合に、いつまでもぐずぐずしないで、どこかで決断すべきだ。 困難な何かを進めるには、到達すべき目標と、そこたどり着くための計画を立てるべきだ。 これは私の価値観…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第102回2015/8/26   食うためには働かなくてはならない。働くためには、職業に就かなくてはならない。これは、当たり前のことだと思っていた。 この小説を読むと、そこに疑問を感じ始めた。 現代では、食うためには、食物を作るので…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第101回2015/8/25 自分の所為に対しては、如何に面目なくっても、徳義上の責任を負うのが当然だとすれば 「代助」は、ここまできても煮え切らない。「父」に対しては、断固として自分の意思を通したのに、「平岡」に対しては「徳義上の…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第100回2015/8/24 「三千代」は「代助」を超えた感覚を持っていると思う。 彼女は、生活費のこと、夫との関係、世間体、そういったことよりも、「代助」との愛に重きを置いて、今後生きて行くことに迷いがない。 一方、「代助」は、…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第99回2015/8/21 愛した女性とは、結婚をしなければならない。 他の人と結婚している女性を、愛してはならない。 これに承服しない考え方を、この作品の中だけでなく、今までに何度も聞いている。考えにとどまらず、それを実践してい…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第98回2015/8/20 彼は第一の手段として、何か職業を求めなければならないと思った。けれども彼の頭の中には職業という文字があるだけで、職業その物は体を具えて現れて来なかった。彼は今日まで如何なる職業を想い浮かべて見ても、ただ…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第97回2015/8/19 「父」は、この縁談が「父」にとって利益になることを正直に話した。また、自分の事業の状況が芳しくないことと、年のせいで弱ってきたことを、隠さずに話した。 だが、我が子「代助」は、それを理解しながらも、「父…
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