朝日新聞連載小説 『春に散る』沢木耕太郎 4月4日分
旅行にしばらく行っていないので、ホテルに泊まることも数年ありません。
旅行に出かけていたころは、ホテルへのチェックインのときには何か特別な気分になるものでした。普通のビジネスホテルと知っていても、そのホテルの雰囲気やその宿泊地の特徴などが伝わってくる場合もありました。また、部屋のドアを開け、室内に入るときも、初めて訪れた駅に降り立つ気分にも似ていました。
この回で、主人公の名前が分かります。「広岡仁一」、アメリカにいる日本人です。英語に不自由はなさそうで、経済的にも不安はないようです。
荷物は柔らかそうな革でできた古いボストンバッグ型のものがひとつだけだった。
このように、「広岡」の様子が描かれています。
男が短い旅行でもキャリー付きのバッグを持つようになったのはいつ頃からでしょうか。バッグをひとつだけ、しかも古い。やっぱりそうでなくちゃ。
私も古いものを大切に使おう。
服装や持ち物の描写で、登場人物のイメージが作られていくのですね。
よろしければクリックをお願いします。