朝日新聞連載小説 『それから』 第七回 4月9日分
「大助」の考えが次のように出てきました。
いわゆる処世上の経験ほど愚(ぐ)なものはない
麵麭(パン)に関係した経験は、切実かもしれないが、要するに劣等だよ。麵麭(パン)を離れた贅沢な経験をしなくちゃ人間の甲斐(かい)はない。
私は最近こういうものの言い方を聞いたことがありませんでした。
人間は、物質面だけを求めて生きているわけではなく、心の豊かさがなければ生きている意味はない、というような考え方はなんとなく頭の中にはあります。でも、「大助」のように、それを実行に移しているわけではありません。
私の今の生活が、理想と美を求めることを何よりも大切とする考え方から遠ざかってしまったのでしょうか。
平成の今、大助のような人がいたらどう思われるでしょうか。時代が違うというだけでしょうか。
よろしければクリックお願いします。