朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第494回2016/8/20

 それは、月の光を浴びながら、まるでボクシングによって語り合うかのように、長く長く続けられた‥‥。

 美しい場面だ。
 これ以上のことがあるだろうか。
 二人は、世界チャンピオンになることよりも価値のある時間を過ごしたと思う。